技術士試験の合格率
技術士試験は、将来【6%合格率】の超・超難関資格です
技術士試験合格率の推移
【2019年度技術士第二次試験】解説
近い将来には、筆記試験合格率12%以下・口頭試験合格率50%以下・最終合格率6%程度になるかもしれません。すなわち、技術士試験は、合格率6%程度の超・超難関試験になるかもしれません。
2019年度技術士第二次試験の合格発表がありました。(公表された結果は、「表1 2019年度技術士試験 実施結果」を参照してください)
その中で判明した事に「試験の難易度の上昇と「口頭試験の厳格化」」があげられます。
平成25年度は、試験制度変更に伴い合格率が上昇(難易度が低下)しました。しかしながら、平成26年度から再度合格率が低下(難易度が上昇)しました。同様に平成27年度も低下しました。今後は、さらに合格率6%に向かっていくものと思われます。
さらに口頭試験も前年同様になりました。口頭試験は、一般的なイメージとして「口頭試験=人物確認・雑談の内に合格」があります。今回の試験結果で明らかになったのは、「口頭試験の厳格化」です。受験部門によってですが、筆記試験の合格者の内で50~75%の人しか合格して無い部門もありました。
例えば、下記部門です。計算式は、(最終合格者÷筆記試験合格者)×100です。
表は横スライドでご覧いただけます。
受験部門 |
筆記合格者数に対する口頭試験の合格率 |
---|---|
機械部門 | 75.70% |
船舶・海洋部門 | 75.00% |
資源工学部門 | 71.43% |
水産部門 | 79.17% |
情報工学部門 | 78.95% |
生物工学部門 | 62.50% |
この結果を見たときに、「口頭試験=人物確認・雑談の内に合格」は、もはや過去の話と思われます。筆記試験に合格している受験生でこの結果です。だれもが、「自分には、合格できる実力が有る」と思って受験します。ですが、口頭試験は、実力者でも半数しか合格しないと理解しましょう。
下の表が、口頭試験で不合格になる例です。
表は横スライドでご覧いただけます。
試問事項[ 配点 ] | Ⅰ 技術士としての実務能力 | ||
---|---|---|---|
① コミュニケーション、リーダーシップ [ 30 点 ] | 15点 | ||
② 評価、マネジメント [ 30点 ] | 10点 | ||
Ⅱ 技術士としての適格性 | |||
③ 技術者倫理 [ 20 点 ] | 10点 | ||
④ 継続研さん [ 20点 ] | 10点 | ||
合計 | 45点 |
失敗の原因は、口頭試験の初めの3分間で行われる「実務経験証明書と技術的体験論文の説明」にあります。
12月に行われる口頭試験では、初めの3分間で試験官から「試験官:それでは、3分間で業務経歴と技術的体験論文を説明してください」の指示が出ます。
(1)この質問にきちんと説明できれば、「この受験生は、実力が有る。どのような良い点があるか」と質疑応答が進みます。(すなわち長所探しです)
(2)ですが、初めの3分間で失敗すると「この受験生は、何か問題がある。どのような問題があるだろうか」と質疑応答が進みます。(すなわち欠点探しです)
この(1)と(2)の合否結果がどのようになるか、火を見るよりも明らかです。
ゆえに「受験申込書と実務経験証明書」の準備は、熟慮して進めてください。例えば、技術的体験論文の下書きをしてから「受験申込書と実務経験証明書」の準備をしてください。さらに高等テクニックでは、試験官に質問させる場所を作っておくことです。質問させる場所が決まれば、模範解答も事前に準備できます。
またこの難易度の傾向は、年々厳しくなります。
表1 2019年度技術士試験 実施結果
赤太字は、全21部門の平均値以下
表は横スライドでご覧いただけます。
申込者 |
受験者数 |
筆記試験 合格者数 |
合格率 |
最終合格者 |
最終合格率 |
筆記合格者数に対する合格率 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
受験部門 | A | B | C | (C/B)*100 | D | (D/B)*100 | (D/C)*100 |
機械部門 | 1,109 | 980 | 251 | 25.61% | 190 | 19.39% | 75.70% |
船舶・海洋部門 | 10 | 10 | 4 | 40.00% | 3 | 30.00% | 75.00% |
航空・宇宙部門 | 64 | 57 | 9 | 15.79% | 8 | 14.04% | 88.89% |
電気電子部門 | 1,465 | 1,229 | 170 | 13.83% | 150 | 12.21% | 88.24% |
化学部門 | 149 | 135 | 30 | 22.22% | 29 | 21.48% | 96.67% |
繊維部門 | 45 | 39 | 8 | 20.51% | 8 | 20.51% | 100.00% |
金属部門 | 85 | 76 | 26 | 34.21% | 25 | 32.89% | 96.15% |
資源工学部門 | 24 | 21 | 7 | 33.33% | 5 | 23.81% | 71.43% |
建設部門 | 17,533 | 13,546 | 1,428 | 10.54% | 1,278 | 9.43% | 89.50% |
上下水道部門 | 1,863 | 1,446 | 191 | 13.21% | 173 | 11.96% | 90.58% |
衛生工学部門 | 672 | 558 | 48 | 8.60% | 45 | 8.06% | 93.75% |
農業部門 | 1,044 | 796 | 90 | 11.31% | 86 | 10.80% | 95.56% |
森林部門 | 327 | 266 | 59 | 22.18% | 57 | 21.43% | 96.61% |
水産部門 | 157 | 126 | 24 | 19.05% | 19 | 15.08% | 79.17% |
経営工学部門 | 300 | 258 | 38 | 14.73% | 36 | 13.95% | 94.74% |
情報工学部門 | 496 | 408 | 38 | 9.31% | 30 | 7.35% | 78.95% |
応用理学部門 | 701 | 576 | 89 | 15.45% | 82 | 14.24% | 92.13% |
生物工学部門 | 40 | 38 | 16 | 42.11% | 10 | 26.32% | 62.50% |
環境部門 | 613 | 493 | 87 | 17.65% | 78 | 15.82% | 89.66% |
原子力・放射線部門 | 103 | 88 | 18 | 20.45% | 17 | 19.32% | 94.44% |
総合技術監理部門 | 3,890 | 3,180 | 534 | 16.79% | 490 | 15.41% | 91.76% |
全21部門合計では | 30,690 | 24,326 | 3,165 | 13.01% | 2,819 | 11.59% | 89.07% |
1年でも早く合格するのが得です。下記のJESサポート体制も参考にしてください。