技術士合格者の声・先輩技術士からのアドバイス
機械部門技術士が語る「素晴らしき資格 技術士を取得して良かった事」
技術士(機械部門)の資格を取得して良かった事
正直申しまして、技術士を知っている人は私の仕事関係(自動車会社)では十人中一人いるかどうかです。しかしその名称を知っている数少ない人達は、総じてその取得の難しさも知っており、技術に対する造詣が深いことを国が証明する資格であるとの認識をもっていました。
先輩技術士の方々と接する機会が増えてくると、自分自身の知識に偏りがあり、その厚みが薄いことに気づかされます。しかしその反面、自らの知識の幅と奥行きを広く深くしいこうとする意欲が強く湧いてきます。
技術士を取得しても会社では何の役にも立たないと思っていましたが、それは資格名称のことであり、自己研鑽および先輩諸氏との交わりの中から生まれる高等の専門的応用能力は、今まで以上に仕事に大いに役に立っていることが自分自身の肌で感じます。それ以上に、技術に対する極みを求める気持ちが更に強くなり、人生が楽しくなってきたことが技術士を取得して良かった事だと思っております。
技術士をなるべく一発で合格するコツ
先ず、大学で勉強した教科書を読み直します。私の場合は機械部門でしたので、材料力学、流体力学、熱力学、機械力学を中心に始め、一日に約40ページ読みました。時間にして約2時間です。学生の時と違って、一度勉強した学科なので、ともかくページが進みます。ただし、この段階では人に説明ができるほど自分のものになってはいませんが、ともかく読み終えます。土日は復習です。そうしますと、約1ヶ月で上記4教科を読み終えます。
次に過去問題を調べ、出題傾向(合格本を読むだけではなく、問題内容)を把握し、学校で勉強しなかった分野をもチェックしておきます。もちろん習ったところはそのまま教科書を熟読し、新たな分野についてはインターネットを使って情報を入手します。
最後に出題傾向にしたがって、自分の弱いところをインターネットで補強します。もちろん、並行して適性科目についても受験本、インターネットで調べておき、試験直前に覚えやすいような形にまとめておくことです。筆記試験については、幅広い知識を持っていないと原稿用紙を埋めることもできないので、ともかくインターネットを利用して、特に自分の専門分野に関わる情報を貪欲に吸収していきます。
後は文章力として、起承転結の配分を決めて自分の考えをまとめられるように日々訓練をしていきます。その時にはできるだけPCを使用して、何度も文章の推敲をしていくことです。そうすることによって、着実に表現力が備わっていくはずです。
ともかく大事なことは、一次試験、二次筆記試験、二次口頭試験それぞれにおいて、試験の目的を良く把握し、その目的に応える解答ができるように準備することです。
周りの人へ技術士の取得をお勧めする理由
国家資格を持っているということは、資格取得マニアであったとしても、それなりの難関を通ってきたプロの技術者として、見る人は見ます。資格を取ると、その期待を裏切りたくないという気持ちが強くなり、技術に磨きをかけるという自己研鑽の意欲が湧いてきます。
そうすることで、技術士の仲間、たとえば社内の技術士サークル、技術士会などの交流の場で、難関の国家試験を合格したもの同士ということもあり、お互いに尊敬し合いながら、年齢に関わらず意気投合できることは間違いありません。そこから新しい出会いが始まり、今までの井の中の蛙が大海に船出していく様を自分自身で感じられることでしょう。
技術士を取得した後の思いがけず良かったエピソード
私は自動車会社の研究所勤務が長かったので、同業他社を含め、たくさんの人脈は持っていました。しかし今から考えると、その人脈とは私が○○自動車会社という看板を持っていたからできたもので、看板をはずしたらただのおじさんでしかありません。
同業の△△自動車会社の人とも人脈はありましたが、表面的なお付き合いしかできていませんでした。ところが、技術士の資格取得後はお互いに技術士としての倫理をわきまえていることが良くわかるので、本音のお付き合いができるようになり、技術に対する造詣を深めたいという気持ちがさらに強くなったということです。